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バムルンラード健康ブログ 第13回 腎臓結石

腎臓結石とはどのくらい痛いものなのでしょう?腎臓結石を抱える人は、耐え難い痛みであると言います。この30年で、先進国の多くで腎臓結石の症例は倍増しています。
 
腎臓結石の痛みは耐え難いものであるとして知られています。健康状態に関連した痛みのランキングでは、腎臓結石の痛みは大抵上位に挙げられます。その痛みで知られる腎臓結石ですが、痛みは特徴のひとつに過ぎません。今回のブログでは、腎臓結石について知っておきたい8つの大切なことをご紹介します。


1.  腎臓結石の症例は急増しています。特に先進国においては過去数十年で腎臓結石が倍増しており、アメリカでは5%だった罹患率が10%近くにまで上昇しました。家族に腎臓結石の病歴がある場合には腎臓結石になるリスクが高く、また男性の罹患率は女性の2倍となっています。幼児や子どもでも腎臓結石になることがあります。
 
食生活や生活スタイルの変化がこの症例の増加の主な原因であるとされています。いわゆるジャンクフードの普及や保存料やナトリウムが多く使われた食べ物が一般的になってきています。この腎臓結石の症例の増加は、高血圧、糖尿病、肥満などといった生活習慣病と呼ばれる病気の増加ともリンクしていて、これらの病気を抱えることは腎臓結石のリスク要因でもあります。


2.  脱水により結石が生じやすくなります。塩分、カルシウム、ミネラルなどが尿の中で固まって腎臓結石となります。尿を通じて塩分、カルシウム、ミネラルが体外に排出されますが、水分が足りないと腎臓結石のサイズが大きくなります。腎臓内にあるあいだは痛みを伴いませんが、尿道を通って尿管に入り込むこともあります。

 
3.  腎臓結石が動くと痛みも移動します。結石に伴う痛みは、腎臓が腎臓内の尿路を塞いでしまうと、排尿しようとして力がかかるため痛みが生じるようになります。まずは背部の上の方で痛みが感じられますが、結石が尿路に落ちてくるのに伴って痛み下がっていき、腹部の前の方にまで移動します。また結石が尿管を傷つけてしまうと血尿につながります。
 

4.  水分をたっぷり摂取することは腎臓結石の予防にも治療にもなります。栄養バランスの取れた食生活、運動、体重管理と合わせて、たっぷり水を飲んで脱水を防ぐことは腎臓結石の予防になります。また水を飲むことは、すでにできてしまった結石を体外に排出するための最も有効な手段です。
 

5.  注意したい症状に気を配りましょう。一般的に、腎臓結石が大きくなるにつれて症状も顕著になってきます。一般的な症状としては以下のようなものが挙げられます:
  • 腰の片側あるいは両側から激しい痛みを感じたり痛みが引いたりする
  • 放っておいても改善しない腹痛
  • 血尿
  • 頻繁に尿意を感じるが実際には僅かしか排尿しない
  • 吐き気や嘔吐
  • 発熱や寒気
  • 尿が臭ったり濁っていたりする
 

6.  きちんと治療をすることが大切です。耐え難い痛みのために受診する人が多いですが、放置してしまうと血尿や様々な尿路感染症に繋がりかねないのできちんと治療をすることが大切です。またきちんと治療をしない場合には、将来腎不全は慢性腎疾患などのより深刻な健康問題につながることもあります。
 

7.  尿路結石は再発することが多くあります。腎臓結石であると診断された場合、将来再び腎臓結石になる可能性は非常に高くなります。水分をたっぷり摂取することに加え、医師の指示に従って食生活を改善することで、再び腎臓結石にかかる可能性を低くすることができます。
 

8.  治療方法には様々なものがあります。腎臓結石の治療法には、手術も含めて様々なものがありますが、サイズが小さく尿路を塞いでおらず、痛みも伴わない場合には自然に尿とともに排出されるのを待つ保存的治療法が選択されます。痛みがあるけれど5ミリ以下の場合には水分の摂取や場合によっては処方薬などにより痛みの管理をしながら結石が自然に排出されるのを待ちます。 

その他の治療法としては結石を粉砕したり、低侵襲で内視鏡検査を行い腎臓結石の位置を確かめたり結石の除去を行ったりするものがあります:
  • 体外衝撃波結石粉砕術(ESWL):体外で発生させた衝撃波を皮膚を通して送り、結石を砕いて尿とともに排出させる非侵襲の治療方法です
 
  • 膀胱鏡検査(Cyctoscopy):自然に排出する見込みのない大きさではあるが手術を要するほどには大きくない結石を取り除くために行われる低侵襲の手法です。カメラやバスケット状の装置が取り付けられた膀胱鏡が尿道に挿入され、バスケット状の装置が結石をつかみバスケットに入れて結石を取り除きます
 
腎臓結石の影響のあらわれ方は人によって様々で、腎臓結石の症状とは思えないような症状をおぼえる場合もあるでしょう。受診が必要なほど深刻な症状かどうか判断するには次の2つを目安として下さい:血尿がある場合、また痛みを感じる場合には受診しましょう。

 
(Dr. Tatpong Chit-ua-aree, バムルンラードインターナショナル 腎臓専門医)

 
お問い合わせ先
  • 腎臓疾患センター
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