バムルンラード健康ブログ 第5回 女性と心臓病

健康に関する気になる話題についてご紹介するバムルンラード健康ブログ。第5回目のトピックは女性と心臓病です。
心臓発作とはどんなものなのでしょう?テレビや映画などでは、60代の男性が突然激しい胸の痛みを覚えて胸を押さえるシーンなどが出てきたりします。心臓発作は男性に起こりやすいこと、また特に男性に起こる最も一般的な症状として胸痛が挙げられるなど、このような一般的なイメージに正しい部分もあります。しかしながら、心臓発作や心疾患は女性にも起こりうる深刻な問題なのです。
 
世界のどの地域でも男女ともに死因のトップは心疾患となっており、これらには高血圧、アテローム性動脈硬化、血管の狭窄に伴う血液や酸素の心臓への供給の不足による心臓発作や様々な健康状態などがあります。


男性に起こる症状
男性と女性では心臓発作の起こりかたが異なります。男性によくある心臓発作の症状としては激しい胸痛、胸部圧迫感、腕や左肩、背中や腹部などに向かって放射状に広がる痛み、顎や頸部の痛み、息切れ、めまい、むかつきや失神、大量の発汗、異常なまでの心拍数の上昇などが挙げられます。
 

女性に起こる症状
女性の心臓発作の兆候や症状は一般化したり列挙したりすることが難しく、多くの女性が心臓発作であるにもかかわらずインフルエンザや呑酸、ホルモン失調といったようなあまり深刻でないものに起因する不調であると勘違いし、診察を受けないままにしてしまうケースも多くあります。
 
男性同様、女性も心臓発作の際に胸痛や胸の不快感、胸部圧迫感などを覚えることがあります。しかしその症状は軽いことも多く、また胸痛や胸部圧迫感ではない症状のほうがはっきりあらわれることもあります。統計によれば、男性と比べると女性は心臓発作を起こしても全く胸痛を覚えないことが多く、女性がおぼえる症状には胸痛や胸部圧迫感を伴わない傾向が強いことも明らかになっています。女性が心臓発作を起こした際におぼえる症状には様々なものがあり、以下のものなどが挙げられます:
  • 肩や上背部の痛みや不快感
  • 首、顎、喉の痛み
  • 不眠
  • めまいや頭のふらつき
  • 息切れ
  • 突然の急激な疲労感
  • 数日にわたる疲労感
  • 片腕あるいは両腕の痛み
  • 吐き気、発汗、嘔吐
  • 腹部の不快感、消化不良、ガスに起因するお腹の張りによる痛み
  • 極度の不安、精神錯乱
 
女性の心臓発作に関して様々な研究がなされており、女性特有の症状があることが分かってきています。それらの研究のひとつによれば、女性で心臓発作を経験した人のうち5人に4人は発作が起こる1ヶ月以上前から何らかの症状を感じていたそうです。不眠は、上に挙げた症状のうちでももっとも多く訴えられる初期症状のひとつです。このことは女性の方が睡眠中に心臓発作を起こす割合が高いことのひとつの原因かも知れません。
 

閉経と心臓発作
一般的に40代後半から50代前半にかけて閉経が起こります。このことは女性に多くの身体的な変化をもたらしますが、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの低下もそのうちのひとつです。
 
エストロゲンは心機能に関係があるとされており、まだ閉経していない女性においては心臓疾患のリスクが低いといわれています。加齢に伴い閉経し、エストロゲンが低下すると心疾患のリスクは上昇し、また心臓発作後の生存率も低下します。
 

変化する心臓発作の症状
エストロゲンの減少は、閉経後の女性における心臓発作の症状自体にも影響があることがあり、女性であっても男性によくみられる以下の諸症状を覚えることがあります:
  • 激しい胸痛
  • 腹部や背部の痛み
  • 片腕あるいは両腕の痛みや違和感
  • 首や顎の痛み
  • 動悸や心拍の異常
  • 異常な発汗
 
加齢により心臓発作のリスクは高まります。閉経をきっかけとして定期的に健康診断を受診して医師のアドバイスを受け、健康により気を配るようにしたいものです。
 
 
(Dr. Sureerat Panyarachun, バムルンラードインターナショナル 心臓病専門医)