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前立腺がんに対する近接照射療法 (放射性シード)

 
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近接照射療法とは?

近接照射 (Brachy: ブラキ) 療法の「ブラキ」とはギリシャ語で「近い」を意味する言葉です。近接照射療法とは、がん病巣の近くで放射線源を用いる放射線療法の一種です。この場合は、放射線源を前立腺の内部に直接移植します。


近接照射療法はどのように行われるのでしょうか?

この処置は、泌尿器科医が下腹部切開によって前立腺を露出させたのちに移植することも可能です。しかし、最新の便利なアプローチとして、前立腺の位置を特定するために経直腸超音波を用い、経腹膜からの移植を行なう方法があります。前立腺の位置を特定した後、直腸、尿道、膀胱を避けつつ、針 (中空、スタイレット付き) を前立腺に挿入します。その後、放射線源 (シード状のもの) が中空針を通り、前立腺に移植されます。この処置は間質性近接照射療法と呼ばれることもあります。放射線源の強度と配分はコンピューターによって事前に計画されます。


近接照射療法は何のために行うのですか?

前立腺がんの患者様が外部標準な従来の放射線療法を受ける場合、放射線は皮膚、直腸や膀胱といった周辺組織を通って前立腺に届きます。前立腺がんは用量反応性 (放射線量が多ければ多いほど、がん細胞がより多く死滅する) であるため、隣接する直腸や膀胱の組織も同様に、より多量の放射線に暴露されることになります。これにより、それらの器官は、改善不能な場合もある放射線障害を受けることになります。発生率は数 % から 10% とさまざまですが、テネスムス、直腸出血、出血性膀胱炎を発症する可能性もあります。潜在的な糖尿病、高血圧を持つ人や、重度の慢性的喫煙者では、これらの合併症の危険性が高まります。

間質性近接照射療法では放射線源が前立腺の中にあるため、周辺組織に損傷を与える可能性が減ります。この放射線源は、逆二乗の法則に従って急速に放射線量が低下するという特性を持っています。従って直腸と膀胱に放射される放射線量は低いものです。結果的に、正常組織は放射線による損傷を受けません。

放射線源のもうひとつの利点は、ゆっくりと、しかし持続的に放射線を放射することです。例えば前立腺がん近接照射療法によく利用される I-125 シードの半減期は 60 日です。このように持続的に照射することで、細胞周期の放射線耐性を克服することができます。また、ゆっくり放出される放射線は、急速かつ多量に照射される放射線のように正常組織を傷つけることはありません。

全体として、前立腺に照射される全放射線量は、標準従来型放射線療法によって通常照射される量の約 2 倍です。

リスクと合併症

直腸、尿道 (膀胱管)、膀胱に放射線反作用が起こる可能性は依然としてありますが、外部標準放射線療法よりはかなり少ないものです。この治療は麻酔 (全身麻酔または脊椎麻酔) を施して行なわれるので、他のすべての外科手術と同様に、麻酔によるリスクや合併症が起こる可能性があります。シードが脈管系から肺へと移動する場合がありますが、その可能性は極度に低く、通常は障害が起こることはありません (肺外科手術で体内に残るステープルと同様)。1 個か 2 個のシードが膀胱に入った場合、泌尿器科医が処置後に膀胱鏡検査で取り除くことができ、また後になってその事態が起こった場合でも、シードは尿とともに排出されます。しかし経験豊かな医師が処置を行なえば、こうした可能性はゼロに近いものです。

その他の選択肢

間質性近接照射療法が適した患者様の場合、外科手術 (前立腺全摘出術) や外部照射療法によっても、ほぼ同じ効果の治療を受けることができます。

前立腺全摘出術の不利な点は、骨盤腔を切開しなければならないため、何日もの入院とフォーリー・カテーテルの装着が必要になる点です。また尿失禁や性交不能症を発症する可能性も高くなります。しかし、性機能に影響を与えないように、神経を傷つけずに処置を行なう技術もあります。問題は、悪性腫瘍細胞による神経周囲のリンパ浸潤があった場合、がんが残ってしまう可能性があることです。

標準外部放射線療法の不利な点は、 7 週間毎日 (1 週間に 5 日) の通院が必要な、長期にわたる治療となる点です。患者様にとって不便で、それを支えるご家族の日常生活にも支障があります。

間質性近接照射療法は 1 度で終わる処置です。この処置を健康保険の対象としている一部の国では、外来としてこの処置を行なう場合さえあります。

処置志望者の適性

前立腺がん患者すべてが、この処置に適しているわけではありません。もっとも理想的なのは、腫瘍が前立腺のひとつの葉のみにあり、がんのグレードが低い、前立腺特異抗原 (PSA) のレベルが低い、前立腺の大きさが小さすぎない (膀胱管閉塞が原因で前立腺の経尿道切除を行なった場合など)、または大きすぎない場合です。しかし理想的な状態でない場合でも、さまざまな要因や医師の判断によっては、この治療の実施を考慮する場合があります。前立腺が大きすぎる場合には、まずホルモン治療を行ない、前立腺の大きさを減少させます。

より進行した疾患の場合、前立腺の原発性腫瘍とともに、骨盤リンパ節排液といった広い部位を対象に治療を行なう必要があります。しかし、より大きく、より多くのがん細胞を抱える原発性がんを根絶するためには、より多くの放射線照射が必要になります。間質性近接照射療法を、直腸や膀胱といった周辺正常組織を傷つけずに、補完・促進療法として用いることができます。この技術による促進照射もまた、標準外部放射線療法よりも放射量が多いので、腫瘍を除去する可能性も高くなります。

間質性近接照射療法が適用されるもうひとつの例は、救済治療です。これは前立腺全摘出術のあとがんが局所的に再発したが、原発性前立腺病床部位以外にはまだがんが広がっていない場合に用いられます。ほかの救済治療には、外部放射線療法のあと、これ以上直腸や膀胱を放射線に暴露させられないが、局所再発の治療を行なわなければならない場合に用いられるものがあります。


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